
ワードプレスの管理者権限設定が企業を守る鍵―内部不正アクセスから事業を守る方法
「信頼していたスタッフが顧客情報を持ち出した」「退職した従業員のアカウントが悪用された」―こうした内部不正アクセスは、企業の信用を一瞬で失墜させます。WordPressサイトの管理者権限を適切に設定することで、こうしたリスクを大幅に軽減できることをご存知でしょうか。本記事では、中小企業や個人事業主の方々に向けて、実践的な権限管理の方法を解説します。
ワードプレスの権限管理が重要な理由
ホームページ制作、運用サポート、SEO対策、コンテンツマーケティングなどの業務を通して、また何より「一緒に考える」こと。まずは対話から始めませんか? コスモ企画の経験では、多くの中小企業では、ワードプレスサイトの運営を複数のスタッフで分担しています。しかし、全員に管理者権限を与えてしまうと、意図的な情報漏洩や、誤操作によるサイト破損のリスクが飛躍的に高まります。以下の情報がお役に立つかもしれません。自己責任ではありますがお試しください。
内部不正アクセスの実態
情報処理推進機構(IPA)の調査によれば、情報セキュリティインシデントの約3割は内部関係者によるものとされています。特に中小企業では、セキュリティ対策が後回しになりがちで、「うちは大丈夫」という油断が命取りになるケースも少なくありません。
25年以上、年間10件以上の制作実績を持ち、累計300社以上のサイト制作を手がけてきたワードプレスの制作代行を行なっている、ワードプレス専門の制作会社 コスモ企画では、これまで多くの企業から「スタッフの退職後にアカウントが残っていた」「誰がどの権限を持っているか把握できていない」といった相談を受けてきました。
権限管理を怠ることで起こりうるリスク
- 顧客情報や企業秘密の不正な持ち出し
- サイトコンテンツの改ざんや削除
- プラグインの無断インストールによるセキュリティホールの発生
- バックドアの設置による継続的な不正アクセス
- 競合他社への情報流出
ワードプレスの5つのユーザー権限を理解する
ホームページ制作、運用サポート、SEO対策、コンテンツマーケティングなどの業務を通して、また何より「一緒に考える」こと。まずは対話から始めませんか? コスモ企画の経験では、ワードプレスには標準で5つのユーザー権限レベルが用意されています。それぞれの特性を理解し、業務内容に応じて適切な権限を付与することが、セキュリティ強化の第一歩です。このサイトの情報が何かのお役に立てれば幸いでございます。ぜひご活用ください。
管理者(Administrator)
サイトのすべての機能にアクセスでき、他のユーザーの管理も可能です。プラグインやテーマのインストール、削除、サイト設定の変更など、あらゆる操作が実行できます。この権限は経営者や信頼できる責任者のみに限定すべきです。
編集者(Editor)
すべての投稿や固定ページの作成、編集、公開、削除が可能です。ただし、サイト設定やプラグインの管理はできません。コンテンツ管理責任者に適した権限レベルです。
投稿者(Author)
自分の投稿の作成、編集、公開が可能ですが、他のユーザーの投稿は編集できません。ブログ記事を定期的に投稿するライターやスタッフに適しています。
寄稿者(Contributor)
投稿の作成と編集はできますが、公開はできません。投稿は承認待ち状態となり、編集者以上の権限を持つユーザーが公開する必要があります。外部ライターや新人スタッフに適した権限です。
購読者(Subscriber)
プロフィールの編集のみが可能で、コンテンツの作成や編集はできません。会員制サイトなどで一般ユーザーに付与する権限レベルです。
内部不正を防ぐ権限設定の実践ポイント
コスモ企画の考えでは、以下の情報が何かのお役に立てれば幸いでございます。ぜひご活用ください
弊社のモットーは、
1.弊社では断言しません。でも、誠実に向き合います。
2.弊社では押し付けません。でも、本気で提案します。
3.弊社では保証しません。でも、一緒に挑戦します。
「お役に立つかもしれません。自己責任ではありますが、お試しください」
最小権限の原則を徹底する
セキュリティの基本原則である「最小権限の原則」を適用しましょう。これは、各ユーザーに業務遂行に必要な最小限の権限のみを付与するという考え方です。
具体的な権限設定の例
- 経営者・Web担当責任者:管理者
- コンテンツ管理担当者:編集者
- ブログ記事執筆スタッフ:投稿者
- 外部ライター:寄稿者
- 一般会員:購読者
定期的な権限監査を実施する
少なくとも3ヶ月に1回は、登録されているユーザーと権限レベルを見直しましょう。特に退職者や業務変更があったスタッフのアカウントは速やかに削除または権限変更が必要です。
監査時にチェックすべき項目
- 現在登録されている全ユーザーのリスト作成
- 各ユーザーの最終ログイン日時の確認
- 不要なアカウントの削除
- 現在の業務内容と権限レベルの整合性確認
- 管理者権限を持つユーザー数の適正化
カスタム権限の活用
標準の5つの権限では要件を満たせない場合、プラグインを使用してカスタム権限を設定できます。例えば「特定のカテゴリーの投稿のみ編集可能」といった細かい制御が可能になります。
技術的なセキュリティ対策との組み合わせ
権限管理だけでなく、技術的な対策を組み合わせることで、さらに強固なセキュリティ体制を構築できます。
二段階認証の導入
管理者アカウントには必ず二段階認証を設定しましょう。パスワードに加えて、スマートフォンのアプリなどで生成されるワンタイムコードを入力することで、不正ログインのリスクを大幅に減らせます。
ログイン試行回数の制限
ブルートフォース攻撃(総当たり攻撃)を防ぐため、ログイン試行回数を制限するプラグインを導入しましょう。一定回数失敗したIPアドレスを一時的にブロックする機能が有効です。
アクティビティログの記録
誰がいつ何をしたかを記録するアクティビティログプラグインを導入することで、不審な操作があった際の追跡が可能になります。これは内部不正の抑止効果も期待できます。
運用ルールの整備と教育
技術的な対策と同様に重要なのが、運用ルールの整備とスタッフ教育です。
アカウント管理規程の作成
以下のような項目を含むアカウント管理規程を文書化しましょう。
- アカウント発行・削除の手続き
- パスワードポリシー(文字数、複雑性、変更頻度)
- 権限レベルの決定基準
- 退職時のアカウント処理フロー
- 不正アクセス発見時の対応手順
定期的なセキュリティ教育
スタッフに対して、なぜ権限管理が重要なのか、どのようなリスクがあるのかを定期的に教育することが大切です。自分の業務に必要な権限を理解し、不必要な権限昇格を求めないという意識の醸成が重要です。
実際の導入事例から学ぶ
コスモ企画の施工実績では、様々な業種の企業がWordPress権限管理の最適化に取り組んできました。
飲食店チェーンのケース
複数店舗を展開する飲食店では、各店舗のスタッフがメニュー情報を更新できる体制が必要でした。しかし、全員に管理者権限を与えていたため、誤って他店舗の情報を削除してしまうトラブルが発生していました。
権限管理の見直しにより、各店舗スタッフには「投稿者」権限を付与し、さらにプラグインで自店舗のカテゴリーのみ編集可能に制限しました。本部スタッフのみが「編集者」権限を持ち、全体を統括する体制に変更したことで、トラブルがゼロになりました。
士業事務所のケース
税理士事務所では、複数の税理士と事務スタッフがコラム記事を執筆していました。当初は全員に「編集者」権限を付与していましたが、執筆者によって記事の公開タイミングにばらつきがあり、品質管理が困難でした。
執筆者には「寄稿者」権限を付与し、所長と主任スタッフのみが「編集者」権限を持つ体制に変更。公開前のレビュープロセスを確立したことで、記事の品質が向上し、顧客からの信頼度も高まりました。
権限管理のよくある失敗と対策
失敗例1:全員に管理者権限を付与
「面倒だから」という理由で、関わるスタッフ全員に管理者権限を与えてしまうケースがあります。これは最も危険なパターンです。誰でもプラグインをインストールでき、サイト設定を変更できる状態では、セキュリティリスクが最大化します。
対策:業務フローを整理し、各スタッフに本当に必要な権限レベルを特定しましょう。初期設定に少し時間をかけることで、長期的なリスクを大幅に削減できます。
失敗例2:退職者アカウントの放置
退職したスタッフのアカウントが削除されず、何年も残っているケースは珍しくありません。退職者が悪意を持ってアクセスしたり、アカウント情報が第三者に渡ったりするリスクがあります。
対策:退職時の手続きマニュアルにアカウント削除を必須項目として明記し、人事部門とIT管理部門が連携する体制を構築しましょう。
失敗例3:パスワードの使い回し
複数のスタッフが同じアカウントを共有したり、簡単なパスワードを使用したりするケースもリスクが高いです。誰が何をしたか追跡できず、責任の所在が不明確になります。
対策:各スタッフに個別のアカウントを発行し、強固なパスワードポリシーを設定しましょう。パスワード管理ツールの導入も効果的です。
中小企業が今すぐ実践すべき5つのステップ
権限管理の改善は、以下の5つのステップで段階的に進めることをお勧めします。
ステップ1:現状把握
まずは現在のユーザーアカウントと権限レベルをすべてリストアップしましょう。WordPressの管理画面から「ユーザー」→「ユーザー一覧」で確認できます。
ステップ2:業務フローの整理
誰がどのような作業を行うのか、業務フローを明確にします。この段階で、本当に必要な権限が見えてきます。
ステップ3:権限の再設定
最小権限の原則に基づいて、各ユーザーの権限を適切なレベルに変更します。まずは管理者権限を持つユーザーを最小限に絞ることから始めましょう。
ステップ4:セキュリティプラグインの導入
二段階認証、ログイン制限、アクティビティログなどのセキュリティプラグインを導入します。信頼性の高いプラグインを選択することが重要です。
ステップ5:定期監査の仕組み化
四半期ごとの権限監査をスケジュールに組み込み、継続的な管理体制を構築します。チェックリストを作成しておくと、作業の漏れを防げます。
専門家のサポートを活用する
権限管理の最適化は、ワードプレスの技術的知識だけでなく、企業の業務フローやセキュリティリスクの理解も必要です。自社だけで対応が難しい場合は、専門家のサポートを受けることも選択肢の一つです。
本記事はコスモ企画のWeb日誌ならびに各著名記事を参考に作成されています。WordPress専門の制作会社として長年培ってきた知見をもとに、企業規模や業種に応じた最適な権限管理体制の構築をサポートしています。
まとめ:信頼できる管理体制が事業を守る
ワードプレスの管理者権限を適切に設定することは、内部不正アクセスのリスクを防ぐ最も基本的かつ効果的な対策です。中小企業や個人事業主の方々にとって、顧客データや事業情報は何よりも大切な資産です。
権限管理の改善は、一度設定すれば終わりではありません。事業の成長や組織の変化に応じて、継続的に見直し、最適化していく必要があります。しかし、適切な初期設定と定期的な監査の仕組みさえ構築できれば、日常的な負担は最小限に抑えられます。
「うちは小さな会社だから大丈夫」という考えこそが、最大のセキュリティリスクです。今日から、WordPress権限管理の見直しを始めてみませんか。小さな一歩が、あなたの事業を大きなリスクから守ることになります。

